こんにちは。銀座矯正歯科です。
「歯ぎしりがひどいと指摘されて不安」「朝起きると顎や歯に痛みを感じる」「最近、歯並びが乱れてきた気がする」といったお悩みをお持ちではありませんか?
歯ぎしりは、歯の健康や歯並びに影響を及ぼすだけでなく、放置すると顎関節症や全身の不調にもつながる可能性があります。矯正治療と合わせたアプローチで、歯並びの安定と負担の軽減を目指しましょう。
1.こんなお悩みありませんか?
- ・歯ぎしりがひどいと指摘された
- ・朝起きたら顎や歯に痛みを感じる
- ・最近、歯並びが悪くなってきた気がする
もしこれらの悩みが当てはまる場合、歯ぎしり(ブラキシズム)が原因で歯や顎に負担をかけ、歯並びに悪影響を与えている可能性があります。歯ぎしりは、無意識に歯をすり合わせることで、歯に過度の力がかかり、歯のすり減りや位置のズレ、顎関節の痛みを引き起こすことがあります。
歯ぎしりがもたらす問題
- 歯のすり減り:歯ぎしりによって歯の表面が削れ、形が崩れることがあります。
- 歯並びの乱れ:過剰な力が歯にかかることで、歯が動きやすくなり、歯並びが乱れることがあります。
- 顎の痛みや不快感:歯ぎしりが続くと、顎関節や筋肉に負担がかかり、痛みや不快感が生じることがあります。
もしこのような悩みをお持ちの場合、早めに対処することが重要です。
2.歯ぎしりが歯並びに与える影響とは?
歯ぎしり、もしくは噛みしめは、知らないうちに行っていることが多いですよね。特に、睡眠中やストレスを感じている時など、無意識のうちに力がかかってしまいます。この無意識の力が、実は歯や歯並びに大きな影響を与えているかもしれません。今回は、歯ぎしりがどのように歯並びに関わってくるのか、そしてどんな対策が必要なのかをご紹介します。
歯ぎしりで歯がすり減る!
まず最初に考えたいのは、歯ぎしりが歯の表面をすり減らしてしまうことです。歯ぎしりをしていると、歯同士が強くこすれ合って、少しずつ歯の表面が摩耗していきます。
- すり減った歯は、見た目や機能にも影響を与えることがあります。特に、前歯や奥歯の噛み合わせが変わることで、歯並びが崩れてきたり、噛み合わせが不安定になることがあります。
- さらにすり減った歯は、冷たいものや熱いものがしみる原因にもなり、日常的に不快感を感じることもあります。
このように、歯がすり減ってしまうことで、歯並びや噛み合わせに悪影響が出てくることがあるため、早期に対処することが大切です。
歯が動いてしまう!?
歯ぎしりによる圧力は、歯を動かす力として作用することがあります。長期間にわたり、無意識に歯に強い力をかけ続けることで、歯並びが少しずつずれてしまうこともあるんです。
- 歯の位置がずれてしまうと、噛み合わせが悪くなり、食事がしにくくなることもあります。また、見た目にも歯並びが気になるようになったり、歯が動いているのが分かることも。
- さらに、歯並びが崩れることで、口元の印象にも変化が出ることがあるため、気になる方も多いと思います。
ここで大切なのは、歯ぎしりを放置せず、早めに対策を取ることです。歯科医師に相談して、適切な治療を行うことで、歯並びの悪化を防ぐことができます。
顎関節や筋肉への影響
歯ぎしりは歯だけでなく、顎関節や周囲の筋肉にも負担をかけるため、顎関節症の原因にもなることがあります。顎関節症になると、顎を動かすたびに痛みを感じたり、口を開けるのが大変になることも。
- さらに、顎に負担がかかることで、肩こりや首の痛み、頭痛が引き起こされることもあります。これが続くと、日常生活にも影響が出てしまいますよね。
歯ぎしりによって顎に負担がかかる前に、マウスガードや治療を受けることで、症状の進行を防ぐことが可能です。歯科医師に相談し、適切な対策を取ることが、健康を守るためには重要です。
歯ぎしりは、知らず知らずのうちに歯や顎に大きな影響を与えてしまうものです。 ですが、早期に対処することで、歯並びや顎の健康を守ることができます。
もし、「歯ぎしりが気になる」「歯並びが悪くなってきたかも」と思ったら、ぜひ早めに歯科医師にご相談ください。
3.歯ぎしりが起こる原因を知ろう
歯ぎしりは、単なる癖や一時的なものではなく、さまざまな要因が絡み合って発生するものです。もし歯ぎしりに悩んでいる場合、その原因をしっかりと理解することが解決の第一歩です。ここでは、歯ぎしりの主な原因をいくつかご紹介し、それぞれがどのように歯並びや口の健康に影響を与えるかをお話しします。
ストレスと生活習慣の関係
歯ぎしりの最も大きな原因の一つに「ストレス」があります。日々の生活で抱えるストレスや不安が、無意識に顎や歯に力を入れてしまう原因となります。特に仕事のプレッシャーや家庭での悩み、生活の中での緊張感が積もると、夜寝ている間にそれが顎の筋肉を強く締め付けることになります。このように、無意識に歯を食いしばったり、強く噛み合わせたりすることで、歯ぎしりが起きやすくなるのです。
- ストレスが溜まると、体が反応して無意識に顎に力を入れるため、歯ぎしりを引き起こします。特に、眠っている間にその反応が続き、強い力で歯を擦り合わせたり、食いしばったりします。
- 睡眠中に歯ぎしりが続くと、顎の筋肉や歯に大きな負担をかけるため、歯や顎関節に痛みが出ることがあります。また、歯の表面が削れる原因にもなります。
噛み合わせや歯並びの影響
歯並びが悪いと、歯ぎしりの原因になることがあります。歯並びがずれていたり、噛み合わせが不正確であると、歯がしっかりと噛み合わない状態になります。そのため、無意識に力を加えて歯をしっかり噛みしめようとすることがあり、これが歯ぎしりにつながります。また、歯並びが悪いと、特定の歯に過度な力がかかりやすく、歯ぎしりが習慣化することもあります。
- 歯並びが悪くなると、上下の歯が正しく噛み合わず、歯ぎしりが引き起こされる原因になります。特に歯が突出していたり、並びがガタガタしている部分があると、無意識にその部分を補おうとして力が入ります。
- 不正な噛み合わせを放置しておくと、歯ぎしりが続くことが多いため、歯並びの改善が歯ぎしりの予防には重要です。
寝ている間の無意識の動き
寝ている間に歯ぎしりが発生する原因の一つに、無意識のうちに歯を食いしばったり、顎に力を入れたりすることがあります。この状態は「夜間歯ぎしり」と呼ばれ、日中のストレスや緊張が原因で寝ている間に顎に力が入ってしまうのです。寝ている間は自分の意識がないため、歯ぎしりをしていることに気づかないことがほとんどです。しかし、この無意識の動きが繰り返されることで、歯や顎に長期的な負担を与えることになります。
- 寝ている間に強く歯を食いしばることで、歯や顎に過度の力が加わり、歯ぎしりが発生します。これにより、歯の表面がすり減り、顎の関節にも痛みが出ることがあります。
- 無意識のうちに歯ぎしりを続けていると、歯並びに影響を与えるだけでなく、顎関節症(顎の痛みや音)を引き起こすこともあります。
歯ぎしりはただの癖ではなく、身体や心の状態が反映された重要なサインです。もし歯ぎしりが続いている、あるいは顎や歯に痛みを感じている場合は、ストレスや歯並びの問題が影響しているかもしれません。早期にその原因を特定し、適切な治療を行うことで、歯や顎の健康を守り、痛みを軽減することができます。歯ぎしりが習慣化する前に、早期に対策を取ることが大切です。
4.歯ぎしりの種類と特徴
歯ぎしりにはいくつかのタイプがあり、それぞれに特徴があります。どのタイプの歯ぎしりかを理解することで、どのように対策を取るべきかを見極めることができます。以下では、代表的な3つの歯ぎしりの種類についてご説明します。
グラインディング(擦り合わせ型)
グラインディングは、歯と歯を強く擦り合わせるタイプの歯ぎしりです。多くの場合、寝ている間に発生し、無意識のうちに歯を強くこすり合わせることによって歯が削れたり、歯の表面に傷がつくことがあります。
- 特徴:歯を上下に強くこすり合わせる動作が特徴です。
- 影響:歯の表面がすり減ったり、歯が割れやすくなったりします。また、顎関節にも負担をかけ、痛みを引き起こすことがあります。
- 対策:マウスピースやナイトガードを使うことで、歯の擦り合わせを防ぐことができます。
クレンチング(食いしばり型)
クレンチングは、歯を食いしばる動作が特徴的です。このタイプの歯ぎしりでは、歯と歯が強く接触することなく、主に上下の顎を無理に締め付けることになります。食いしばりは特にストレスや緊張が高まるときに起こりやすく、気づかないうちに強い力が顎にかかっています。
- 特徴:歯を強く食いしばる動作が続くことが特徴です。
- 影響:顎や首、肩に強い疲労感や痛みが現れることがあり、長期的には顎関節に問題を引き起こすことがあります。また、歯がすり減るだけでなく、歯の根元にダメージを与える可能性もあります。
- 対策:歯科医師の指導のもと、マウスピースやリラクゼーション技法を取り入れることで、食いしばりを減らすことができます。
タッピング(小刻み型)
タッピングは、歯ぎしりの中でも比較的小刻みに歯を打ち合わせる動作です。このタイプでは、歯が激しく擦れ合うことは少ないものの、リズムよく歯がカチカチと音を立てて打ち合うことが特徴です。特に、無意識のうちに寝ている間にタッピングをしている人が多いです。
- 特徴:歯を小刻みに打ち合わせる音が特徴です。
- 影響:音が鳴ることで周囲の人に迷惑がかかることがあるだけでなく、長時間続けることで顎関節や歯に徐々に負担がかかり、痛みを引き起こすことがあります。
- 対策:タッピングも他のタイプの歯ぎしりと同じように、ストレス軽減を図ったり、マウスピースを使用することで予防できます。
歯ぎしりはそのタイプによって症状や影響が異なります。グラインディングは歯を擦り合わせ、クレンチングは歯を強く食いしばり、タッピングは小刻みに歯を打ち合わせます。これらの歯ぎしりは、無意識に行われることが多いため、自分の歯ぎしりのタイプを知ることが大切です。それによって、適切な対策を講じることができます。
5.歯ぎしりによる歯並びの変化を防ぐには
歯ぎしりが続くと、歯並びに少しずつ悪影響を与えることがあります。しかし、早期に気づいて対処することで、その影響を最小限に抑えることが可能です。ここでは、歯ぎしりが歯並びに与える変化を防ぐためのポイントをご紹介します。
早期の気付きが重要な理由
歯ぎしりは多くの場合、寝ている間に無意識のうちに行われます。そのため、自分では気づきにくいことが多いですが、歯ぎしりが続くと歯並びに影響を与え、歯が動いてしまうことがあります。最初は軽いすり減りから始まり、歯の移動や噛み合わせに変化が生じることがあります。早期に気づくことで、歯並びへの悪影響を防ぎ、早期に対応できるようになります。
毎日のセルフチェック方法
歯ぎしりの兆候に気づくためには、毎日のセルフチェックが大切です。以下の方法で、歯ぎしりの影響を早めに確認しましょう。
- 朝起きたときの確認:目が覚めたときに、顎や歯に痛みがある場合、それは歯ぎしりの兆候かもしれません。痛みや違和感が続く場合は、歯科医師に相談することをお勧めします。
- 歯の摩耗をチェック:歯の表面にすり減りやひび割れがないかを確認しましょう。見た目で摩耗が確認できた場合、歯ぎしりが原因の可能性があります。
- 顎の疲れを感じたら:顎の関節が痛かったり、筋肉が疲れている場合も、歯ぎしりが影響している可能性があります。
周囲からの指摘に耳を傾ける大切さ
歯ぎしりの兆候は、自分では気づかないことが多いため、周囲の人から指摘を受けることが非常に重要です。例えば、「寝ているときに歯がカチカチ音を立てている」といったことを指摘された場合、それが歯ぎしりのサインかもしれません。自分で気づきにくい場合でも、周囲の人からのフィードバックを受け入れることが、早期発見につながります。
予防と対策
歯ぎしりの影響を防ぐためには、いくつかの対策があります。以下の方法で歯並びの変化を予防できます。
- マウスピースの使用:寝ている間の歯ぎしりを防ぐために、マウスピースやナイトガードを使うことで、歯にかかる圧力を分散させることができます。
- ストレス管理:歯ぎしりの多くはストレスが原因で起こります。リラクゼーションやストレス管理を意識することで、歯ぎしりの頻度を減らすことができます。
- 定期的な歯科検診:歯科医師による定期的なチェックを受けることで、歯ぎしりが原因の問題を早期に発見し、治療することができます。
歯ぎしりが歯並びに与える影響を防ぐためには、早期の気づきと日々のセルフチェック、そして周囲からの指摘を大切にすることが重要です。歯並びに変化が出てしまう前に、適切な対策を講じることで、歯や顎の健康を守ることができます。
6.改善できる治療方法とは?
歯ぎしりによる歯並びの悪化は、早期の対処がカギとなります。歯ぎしりによる影響を軽減し、歯並びや顎の健康を守るためには、いくつかの効果的な治療法があります。ここでは、歯ぎしりを改善するための代表的な治療方法をご紹介します。
マウスピース療法(ナイトガード)
歯ぎしりを防ぐための最も一般的で効果的な治療法は、マウスピースを使用することです。ナイトガードとも呼ばれるこの装置は、寝ている間に歯ぎしりが起きても歯に直接力がかからないようにします。これにより、歯が摩耗したり歯並びが乱れるのを防ぐことができます。
- 使用方法:寝る前に装着するだけで、歯ぎしりの影響を軽減します。
- 効果:歯にかかる圧力を分散し、歯の摩耗を防ぎ、顎の負担も軽減します。
マウスピースは歯科医師が患者様の口に合わせて作成するため、しっかりとフィットし、快適に使用できます。
歯並びや噛み合わせの矯正
歯ぎしりの原因のひとつに、歯並びや噛み合わせの不調があります。歯並びや噛み合わせが悪いと、歯ぎしりが引き起こされることがあります。この場合、矯正治療を受けることで歯並びや噛み合わせを整えることができます。
- 矯正治療の効果:歯並びを改善し、噛み合わせを正すことで、歯ぎしりを引き起こす根本的な原因を解消することができます。
- 治療方法:インビザライン(透明なマウスピース矯正)やワイヤー矯正など、患者様の状況に合わせた矯正治療が選ばれます。
矯正治療によって歯並びを整えると、歯ぎしりの予防だけでなく、口元の美しさも改善できます。
筋弛緩療法や行動修正アプローチ
歯ぎしりがストレスや緊張から来ている場合、筋弛緩療法や行動修正アプローチが有効です。これらは、歯ぎしりを引き起こしている心理的な要因にアプローチし、リラックスを促す方法です。
- 筋弛緩療法:顎や顔の筋肉をリラックスさせるためのストレッチやマッサージを行います。これにより、寝ている間の歯ぎしりを減らすことができます。
- 行動修正アプローチ:日常的にリラックスする時間を取り入れたり、睡眠時に意識的に歯ぎしりをしないよう訓練します。
ストレスを軽減することで、無意識の歯ぎしりを減らし、歯並びへの影響を防ぐことができます。
歯ぎしりによる歯並びの悪化を防ぐためには、いくつかの治療法があります。マウスピース療法は最も効果的で手軽な方法です。矯正治療で歯並びを改善することも根本的な解決策になります。また、筋弛緩療法や行動修正アプローチでストレスを管理し、歯ぎしりを予防することも重要です。
7.日常生活でできるセルフケア
歯ぎしりや歯並びが悪くなる原因は、しばしば日常生活に隠れています。歯ぎしりを防ぐために大切なのは、生活習慣を見直すこと。日々のちょっとした工夫で、歯ぎしりを軽減し、歯並びを守ることができます。ここでは、患者様が取り入れやすいセルフケアを3つのポイントでご紹介します。
睡眠環境の改善
歯ぎしりは、特に睡眠中に無意識に行われることが多いため、睡眠環境の改善が非常に重要です。快適な睡眠を得ることで、リラックスして深い睡眠に入り、歯ぎしりを減らすことができます。
- 寝室の環境を整える:静かな環境、適切な温度と湿度を保つことで、深い睡眠が得やすくなります。
- 寝具の選び方:寝具が体に合わないと、体が緊張しやすくなり、無意識に歯ぎしりを引き起こすことがあります。快適な枕やマットレスを選びましょう。
- 就寝前のリラックス:寝る前にリラックスできる時間を持ち、気持ちを落ち着けることが大切です。お風呂や軽いストレッチなどで、心身をリラックスさせることが助けになります。
ストレス軽減の具体的方法
歯ぎしりの最大の原因のひとつがストレスです。ストレスが溜まると、それが歯ぎしりや食いしばりに繋がることがあります。ストレスをうまく管理することが、歯ぎしりを減らすためには欠かせません。
- リラックス法を取り入れる:深呼吸や瞑想、ヨガなどは、心身をリラックスさせ、ストレスを軽減する効果があります。毎日の短時間のリラックスが、歯ぎしり予防につながります。
- 趣味や楽しみを見つける:好きなことをする時間を持つことも、ストレスを軽減する助けになります。友人と会う、映画を観るなど、自分に合った方法でリフレッシュしましょう。
- 適度な運動:運動をすることで、心と体のストレスを解消できます。ウォーキングやジョギング、軽い筋トレなどが効果的です。
正しい姿勢と噛み合わせの意識
姿勢や噛み合わせも、歯ぎしりの原因になり得ます。正しい姿勢を意識し、噛み合わせを整えることで、歯ぎしりや顎の負担を減らすことができます。
- 正しい姿勢を保つ:姿勢が悪いと顎に無理な負担がかかり、歯ぎしりや食いしばりの原因になります。座っているとき、立っているときの姿勢を意識し、背筋を伸ばすことを心がけましょう。
- 噛み合わせのチェック:歯並びが悪かったり、噛み合わせがずれていると、無意識に歯ぎしりをしてしまうことがあります。歯科医師によるチェックや矯正治療で、噛み合わせを整えることが大切です。
- 顎をリラックスさせる習慣をつける:顎に力が入ったままだと、歯ぎしりが起こりやすくなります。リラックスした状態を意識して、無駄に力を入れないようにしましょう。
歯ぎしりを防ぐためのセルフケアは、睡眠環境の改善、ストレス軽減、姿勢や噛み合わせの意識の3つのポイントが鍵となります。これらの習慣を少しずつ取り入れることで、歯ぎしりの予防ができ、歯並びを守ることができます。毎日のちょっとした心がけが、健康な歯並びと顎を守る大きな一歩につながります。歯ぎしりでお悩みの方は、ぜひ今から始めてみてください。
8.歯ぎしりと矯正治療の相性
歯ぎしりが日常的に起きていると、歯や顎に強い負担がかかります。それが原因で歯並びが悪化することもあります。しかし、矯正治療を受けることで、歯並びを整え、歯ぎしりを軽減することが可能です。ここでは、歯並びを整えることで期待できる効果や、矯正治療がもたらす噛み合わせの安定について説明します。
歯並びを整えることで期待できる効果
歯並びが悪いと、噛み合わせが不安定になり、無意識のうちに力をかけてしまうことが多くなります。歯並びを整えることで、こうした無駄な力を減らし、歯ぎしりの頻度を軽減することができます。矯正治療により、以下のような効果が期待できます:
- 歯と歯が正しくかみ合うようになる:正しい噛み合わせにすることで、歯ぎしりによる歯の摩耗や、顎関節への負担を減らせます。
- 顎の負担軽減:歯並びを整えることで、顎の動きがスムーズになり、顎関節のトラブルや痛みの予防につながります。
歯並びが整うと、顔の印象も良くなり、自然に自信が持てるようになるため、心理的にも良い影響を与えることが多いです。
噛み合わせの安定と負担軽減
歯並びが悪いと、噛み合わせも不安定になり、無意識に力を入れて歯を食いしばったり、歯ぎしりをすることが多くなります。矯正治療によって歯並びが整うと、噛み合わせが安定し、顎への負担も軽減されます。具体的には:
- 適切な噛み合わせの実現:矯正治療で歯並びを整えることで、上の歯と下の歯が自然にかみ合い、力が均等に分散されます。これにより、無意識のうちに歯を食いしばったり、歯ぎしりをすることが少なくなります。
- 顎の筋肉の緊張を軽減:噛み合わせが良くなると、顎の筋肉もリラックスし、食いしばりや歯ぎしりの原因となる緊張が減少します。
治療中に考慮すべき点
矯正治療中に歯ぎしりを予防するためには、いくつかのポイントを考慮することが大切です:
- 矯正治療とナイトガードの併用:矯正治療中に歯ぎしりが続く場合、ナイトガード(マウスピース)を使うことで、歯ぎしりの影響を軽減することができます。ナイトガードは就寝時に装着することで、歯や顎へのダメージを防ぎます。
- 矯正治療の進行に合わせたケア:治療中は歯並びが変化するため、定期的なチェックが必要です。歯ぎしりがひどくなる前に、早期に対処できるようにしましょう。
矯正治療を受けることで、歯並びや噛み合わせが改善され、歯ぎしりを軽減できる可能性があります。歯ぎしりの問題を放置せず、矯正治療と併せてしっかり対策を行いましょう。
9.歯ぎしりを放置するとどうなる?
歯ぎしりは、無意識に行ってしまうことが多いため、その影響を実感しにくいこともあります。しかし、放置していると、歯や顎に大きなダメージを与え、将来的には治療が必要になることがあります。ここでは、歯ぎしりを放置することによるリスクをご説明します。
歯の摩耗や破損のリスク
歯ぎしりを長期間続けると、歯の表面が次第にすり減っていきます。特に夜間、寝ている間に強く歯を食いしばったり、擦り合わせたりすることで、歯の摩耗や破損が進行します。
- 摩耗:歯が削れていくことで、歯のエナメル質が失われ、虫歯になりやすくなることがあります。また、歯の形が崩れたり、歯周病を引き起こす可能性も高まります。
- 破損:長期間の歯ぎしりにより、歯が割れたり、欠けたりするリスクもあります。最悪の場合、歯を失うことになるかもしれません。
顎関節症や筋肉痛の可能性
歯ぎしりは、**顎関節(あごの関節)**に大きな負担をかけます。この負担が続くと、顎関節症を引き起こし、口を開けるのがつらくなったり、顎がガクガクと音を立てるようになったりします。
また、歯ぎしりによって、顔や顎の筋肉に強い負担がかかり、筋肉痛や疲れが出ることもあります。これが進行すると、日常生活に支障をきたすようになり、食事や会話が痛くて辛くなることもあります。
将来的な治療費の増大
歯ぎしりを放置しておくと、最終的には歯や顎に大きなダメージが蓄積し、治療が必要になります。例えば、すり減った歯や欠けた歯を治療するためには、インプラントやクラウン(被せ物)、ブリッジなど、より高額な治療が必要になることがあります。
また、顎関節症や筋肉痛の治療にも時間と費用がかかります。早期に対処することで、治療の範囲を限定し、将来の治療費を抑えることが可能です。
歯ぎしりは、放置しておくと歯や顎に深刻な影響を与えることがあります。歯の摩耗や破損、顎関節症のリスクを避けるためにも、早めに対処することが大切です。歯ぎしりを感じたら、まずは歯科医師に相談し、適切な治療や予防策を取ることをお勧めします。早期対応が、将来的な治療費や負担を軽減するための鍵です。
10.よくある質問
歯ぎしりについて、よくある質問にお答えします。
歯ぎしりの治療にはどれくらいの期間がかかりますか?
歯ぎしりの治療にかかる期間は、個々の症状や治療方法によって異なります。軽度の歯ぎしりであれば、数週間から数ヶ月で改善することがあります。一方、長期間続いていたり、強い歯ぎしりがある場合は、治療には数ヶ月から1年ほどかかることもあります。
治療方法には、以下のような選択肢があります:
- ナイトガード:寝ている間に使うマウスピースで、歯ぎしりによるダメージを軽減します。これで改善することが多いです。
- 矯正治療:歯並びや噛み合わせの改善を通して、歯ぎしりを減らすことができます。
定期的なチェックと治療の調整が必要な場合もありますので、歯科医師と一緒に治療計画を立て、進めていくことが大切です。
歯ぎしりが歯の健康に与える影響はどれくらい深刻ですか?
歯ぎしりが歯の健康に与える影響は、放置すると深刻なリスクを伴います。特に以下のような問題が発生します:
- 歯の摩耗:歯がすり減り、エナメル質が失われることで、虫歯や歯周病を引き起こしやすくなります。
- 歯の破損:強い歯ぎしりが続くと、歯が割れたり欠けたりすることもあります。
- 顎関節症:長期間の歯ぎしりにより、顎関節に負担がかかり、痛みや音がすることがあります。
歯ぎしりは初期の段階で気づき、対処することが非常に重要です。早期に治療を始めることで、これらの深刻な問題を未然に防ぐことができます。
矯正治療を受けながら歯ぎしり対策はできますか?
もちろん可能です!実際、歯ぎしりが原因で歯並びが悪くなることもありますので、矯正治療を行いながら歯ぎしり対策を行うことは非常に有効です。以下の方法で対策を講じることができます:
- ナイトガード:矯正治療を受けている途中でも、寝ている間にマウスピースを使用して歯ぎしりの影響を軽減できます。これにより、治療中の歯のダメージを最小限に抑えることができます。
- 噛み合わせの改善:歯並びや噛み合わせを改善することで、歯ぎしりの原因となるストレスを軽減することができます。噛み合わせが安定することで、歯ぎしりの頻度が減ることがあります。
矯正治療を行いながら、歯ぎしり対策を並行することができるので、歯並びの改善と歯ぎしりの予防を同時に進めることが可能です。
歯ぎしりは早期に治療を開始することで、その影響を大きく減らすことができます。歯並びの改善と同時に、歯ぎしりを防ぐための方法を取り入れることは、今後の歯の健康を守るために非常に重要です。気になる症状がある場合は、早めに歯科医師に相談して、適切な対策をとるようにしましょう。
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東京都銀座駅の矯正歯科
銀座矯正歯科
〒104-0061
東京都中央区銀座3-3-14
銀座グランディアビルⅡ 6F
☎︎03-3567-5454
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*監修者
*経歴
1998年 富山県立富山中部高等学校卒業。1998~2004年 日本大学松戸歯学部。
2004~2008年 日本大学大学院(歯科矯正学専攻)。
2008~2012年 日本大学松戸歯学部 歯科矯正学講座 助手(専任扱)。
2012~2020年 医療社団法人真美会 銀座矯正歯科 アシスタントドクター。
2013~2014年 ニューヨーク大学CDEP 矯正学修了。
2014~2018年 日本大学松戸歯学部 顎顔面外科学講座 兼任講師。
2014~2015年 カリフォルニア州立大学LA校CDEP 矯正学修了。
2019~2023年 日本大学松戸歯学部 歯科矯正学講座 兼任講師。
2021年~ 医療社団法人真美会 銀座矯正歯科 院長。
2022年~ 一般社団法人日本デジタル矯正歯科学会 理事・学術担当。
2023年~ 日本大学松戸歯学部 歯科矯正学講座 クリニカルアドバイザー。
2023年~ Digital Dentistry Society Ambassador (Japan)。
2023年~ 日本大学松戸歯学部 歯科矯正学講座 同門会副会長。
2023年~ Ray Face (Ray Dent, Korea) Key Opinion Leader。
*主な所属学会
・日本矯正歯科学会(認定医)
・International Congress of Oral Implantologists (ICOI) インプラント矯正認定医
・Digital Dentistry Society 日本アンバサダー
・先進歯科画像研究会(ADI)歯科用CT認定医
・厚生労働省認定 歯科臨床研修指導医
・日本美容外科学会(JSAPS)関連会員
・Orthopaedia and Solutions マネージャー
・BIODENT 寿谷法コルチコトミーベーシックコース インストラクター
・BIODENT モディファイドコルチコトミーコース インストラクター
・(株)YDM 矯正器材アドバイザー
・ABO Journal Club 主宰
・Cutting Edge of Digital Orthodontics 主宰
*論文・学会発表
- ・加速矯正とアライナー治療による治療期間のコントロール ザ・クインテッセンス2022年11月号
- ・進化するデジタル歯科技術Extra モディファイドコルチコトミー法とSureSmileによる矯正治療 日本歯科評論 81(8)=946:2021.8
- ・進化するデジタル歯科技術 : 3Dプリンターは臨床をどう変革するか(4)矯正治療における3Dプリンターの臨床応用 日本歯科評論 81(4)=942:2021.4
- ・矯正用光重合型レジン系接着システムの接着性能 接着歯学2013年31巻4号P159-166
- ・歯科矯正学における3D診断および治療計画(翻訳)クインテッセンス出版
- ・基礎から学ぶデジタル時代の矯正入門(翻訳統括)クインテッセンス出版
- ・矯正歯科治療のためのコルチコトミー(翻訳)
- ・Effects of compression force on fibroblast growth factor-2 and receptor activator of nuclear factor kappa B ligand production by periodontal ligament cells in vitro. J Periodontal Res. 2008 Apr;43(2):168-73.
- ・Evaluation of the success rate of single- and dual-thread orthodontic miniscrews inserted in the palatal side of the maxillary tuberosity. J World Fed Orthod. 2022 Jun;11(3):69-74.
- ・T-helper 17 cells mediate the osteo/odontoclastogenesis induced by excessive orthodontic forces. Oral Dis. 2012 May;18(4):375-88.
- IL-8 and MCP-1 induced by excessive orthodontic force mediates odontoclastogenesis in periodontal tissues. Oral Dis. 2011 Jul;17(5):489-98.
- ・Effects of HSP70 on the compression force-induced TNF-α and RANKL expression in human periodontal ligament cells. Inflamm Res. 2011 Feb;60(2):187-94.
- ・Effects of relaxin on collagen type I released by stretched human periodontal ligament cells. Orthod Craniofac Res. 2009 Nov;12(4):282-8.
- ・Levels of RANKL and OPG in gingival crevicular fluid during orthodontic tooth movement and effect of compression force on releases from periodontal ligament cells in vitro. Orthod Craniofac Res. 2006 May;9(2):63-70.
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