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2025.01.31

矯正中の痛みがつらい…痛み止めを使うべきタイミングとは?

こんにちは。銀座矯正歯科です。

「矯正って痛いって聞くけど、どのくらい?」「痛みが強かったら、痛み止めを飲んでも大丈夫?」——矯正治療を考えている方の中には、こうした不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

実際、矯正治療では歯が少しずつ動いていくため、痛みを感じることがあります。しかし、その痛みはずっと続くわけではなく、適切な対策をとることで軽減できます。痛み止めを上手に活用することも、矯正生活を快適にするポイントの一つです。

今回は、矯正治療で痛みが出る理由や、痛みが続く期間、痛み止めの適切な使い方、そして薬を使わずに痛みを和らげる方法まで解説していきます。矯正中の痛みとうまく付き合いながら、快適に治療を進めるためのヒントを見つけてみませんか?

 

1.こんなお悩みありませんか?

矯正治療を始めるにあたって、「痛みがどのくらいあるのか」「どんな対処法があるのか」と不安に感じる方は多いのではないでしょうか?特に、ワイヤー矯正やマウスピース矯正を初めて装着する際、歯が動くことで生じる痛みを経験することがあります。

矯正治療の痛みが心配で、なかなか治療を始められない
痛み止めを飲んでも良いのか、いつ飲むべきなのか分からない
できるだけ痛みを軽減する方法を知りたい

矯正治療による痛みは、歯が正しい位置へ移動するための自然な反応ですが、適切な対策をとることで痛みを最小限に抑えることができます

 

2.なぜ矯正治療で痛みが出るの?

矯正治療を考えている患者様の中には、
「矯正って痛いの?どれくらい続くの?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか?
矯正の痛みにはいくつかの原因があり、それぞれのメカニズムを知ることで、不安を和らげることができます。

 

歯が動く仕組みと痛みの関係

矯正治療では、歯に力を加えることで少しずつ正しい位置へ動かしていきます
このとき、歯の根元にある歯根膜や歯槽骨に圧力がかかるため、一時的に炎症が起こり、痛みを感じることがあります
特に以下のタイミングで痛みを感じやすくなります。

  • 矯正開始直後(初めて装置をつけたとき)
  • ワイヤーの調整後(力のかかり方が変わるため)
  • マウスピース交換時(新しいものに適応するまでの間)

 

痛みのピークと落ち着くタイミング

矯正の痛みは、装置の調整後すぐに出るわけではありません
一般的には、以下の流れで変化していきます。

  1. 数時間後 → 違和感や軽い圧迫感が出始める
  2. 2448時間後 → 痛みのピーク(噛むと違和感が強い)
  3. 34日後 → 徐々に痛みが落ち着く
  4. 1週間後 → ほとんど気にならなくなる

     

このように、痛みは一時的なものであり、1週間ほどで違和感が軽減されることがほとんどです。

 

矯正装置による粘膜への刺激

ワイヤー矯正をしている場合、装置が頬の内側や唇に当たることで粘膜が傷つくことがあります
特に矯正を始めたばかりの頃は、以下のような違和感が出やすくなります。

  • 口内炎ができる(ワイヤーやブラケットが粘膜に触れるため)
  • 装置が当たる部分が痛い(特に食事のとき)
  • 唇や頬の内側に違和感がある(慣れるまで数週間かかる)

対策として、歯科医院で矯正用ワックスを使用することで装置による刺激を軽減できます。


また、口内炎用の薬を塗ることで痛みを和らげることもできます。

 

矯正治療の痛みは、治療が進むにつれて徐々に軽減されていきます。
「痛みが強くて耐えられないかも」と不安に感じる方も、適切な対策を取ることで、痛みを最小限に抑えながら治療を続けることが可能です。

 

3.矯正中の痛みはどのくらい続くの?

矯正治療を始めると、「どれくらいの期間、痛みが続くのか?」「ずっと痛いのでは?」と不安に思う患者様も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、矯正の痛みにはピークがあり、時間の経過とともに和らいでいくのが一般的です。
矯正治療では、歯が移動する際に周囲の骨や歯茎に圧力がかかるため、どうしても痛みや違和感が出やすくなりますが、適切な対策を取ることで痛みを最小限に抑えることができます。

 

矯正装置をつけた直後の痛み

矯正治療を開始すると、歯に力が加わることで痛みや圧迫感を感じることがあります。
特に、初めて矯正装置をつけたときは、今まで経験したことのない違和感を覚えるかもしれません。

★痛みが出やすいタイミング

  • ワイヤー矯正の場合:ブラケットとワイヤーを装着した直後から、歯に圧力がかかり始める
  • マウスピース矯正の場合:新しいマウスピースをはめた瞬間から、歯に締め付け感を感じることがある
  • 装置が口の粘膜に当たるとき:唇や頬の内側に擦れや違和感が生じることも

     

★痛みのピークと持続期間

  • 矯正装置を装着して612時間後に痛みが強くなり12日目にピークを迎えることが多い
  • 3~5日ほどで徐々に痛みが軽減し、1週間ほど経つとほぼ気にならなくなる
  • ただし、食事の際に歯を噛みしめると痛みが出る場合もあるため、柔らかい食べ物を選ぶとよい

この痛みは、歯が動いている証拠でもあり、時間の経過とともに和らいでいくので安心してください。

 

調整後の痛みの変化

矯正治療では、1ヶ月に1回程度のペースで定期的な調整が必要です。
この調整によって歯に新たな力が加わるため、再び痛みが発生することがあります

★調整後の痛みの特徴

  • ワイヤー矯正:ワイヤーの締め直しや交換を行った後、数日間痛みが続くことがある
  • マウスピース矯正:新しいマウスピースに交換すると、最初の12日は圧迫感が強くなる
  • ゴムかけ(エラスティック)を始めたとき:噛み合わせの調整のためにゴムを使い始めると、新たな違和感を感じることも

     

★痛みの持続期間

  • 調整後の痛みは、通常23日程度で落ち着く
  • 1週間後にはほぼ痛みがなくなり、次の調整までは違和感なく過ごせることが多い
  • ただし、痛みの感じ方には個人差があるため、無理をせず痛み止めを活用するのも一つの方法

 

個人差による痛みの感じ方

矯正治療の痛みの感じ方には、大きな個人差があります。
同じ治療を受けても、「痛みをほとんど感じない」という人もいれば、「とても痛くて食事がしづらい」という人もいます。

★痛みに影響を与える要因

  1. 痛みに対する耐性の違い:個々の痛みの感じ方には差があり、同じ刺激でも強く感じる人とそうでない人がいる
  2. 歯の動くスピードや骨の状態:骨が硬い人ほど歯の移動に時間がかかり、痛みが強くなることも
  3. 矯正装置の種類:ワイヤー矯正は最初の痛みが強めだが、マウスピース矯正は比較的痛みが少ない傾向にある
  4. 矯正開始時の歯並びの状態:歯のガタつきが大きいほど、最初の調整で痛みを感じやすい
  5. ストレスや体調:ストレスが多いと痛みに敏感になりやすく、疲れているときや寝不足のときは、痛みを強く感じることがある

     

また、治療開始から数ヶ月経つと、体が矯正の痛みに慣れてくることが多いです。
「最初は痛かったけど、今はほとんど気にならない」という患者様も少なくありません。

 

痛みを和らげるポイント

矯正の痛みは一時的なものですが、少しでも快適に過ごすために、以下の対策を試してみてください。

  • 冷やす:痛みを感じる部分を冷たいタオルや保冷剤で優しく冷やすと、炎症が抑えられて楽になる
  • 痛み止めを活用する:市販の鎮痛剤(ロキソニンやカロナールなど)を適切に使用することで、痛みを軽減できる
  • 柔らかい食べ物を選ぶ:硬いものを噛むと痛みが悪化しやすいため、おかゆやスープ、豆腐などを選ぶとよい
  • 歯を指でマッサージする:歯茎を優しくマッサージすると、血流がよくなり痛みが和らぐことがある
  • ストレスをためない:リラックスできる時間を作り、体調を整えることも大切

 

矯正治療中の痛みは、治療開始時や調整後に一時的に強くなるものの、1週間ほどで落ち着くことがほとんどです。
また、痛みの感じ方には個人差があり、生活習慣やストレスの影響を受けることもあります。

 

4.痛み止めは飲んでも大丈夫?

矯正治療を始めたばかりの方や、装置の調整をした後など、痛みが気になると「痛み止めを飲んでも大丈夫?」「いつ飲めばいいの?」と不安に思う患者様も多いかと思います。
結論として、矯正治療の痛みは一時的なものですが、痛みが強い場合は適切なタイミングで痛み止めを使用しても問題ありません。

ただし、痛み止めの種類や服用のタイミングには注意が必要です。

 

痛み止めの適切な使用タイミング

矯正治療中の痛みは数日で自然に軽減することがほとんどですが、どうしても痛みが強いときは痛み止めを活用するのも一つの方法です。
ただし、痛みが出る前から予防的に飲む必要はありません

 

★痛み止めを飲むべきタイミング

  • 矯正装置をつけた直後やワイヤー調整後、痛みが強くなると感じたとき
    • 矯正装置を装着して612時間後に痛みがピークになることが多いため、痛みが出始めたタイミングで服用すると効果的
  • 食事の際に痛みでしっかり噛めないとき
    • 痛みで食事が苦痛に感じる場合、一時的に痛み止めを使うことで快適に食事ができる
  • 夜、痛みで眠れないとき
    • 寝る前に痛み止めを服用すると、痛みを気にせずゆっくり休むことができる

 

市販薬と処方薬の違い

痛み止めには市販薬と歯科医院で処方される薬2種類があります。

 

市販薬(ドラッグストアで購入可能)

歯科医院を受診しなくても購入できるため、手軽に使えるのがメリットです。
ただし、痛みが強い場合は、歯科医師に相談のうえ、適切な処方薬を使用するのが安心です。市販薬を使用する場合は、用法・用量を守りましょう。

処方薬(歯科医院で処方される)

歯科医院では、患者様の状態に合わせてより強い痛み止めを処方することがあります。
矯正の痛みが特に強い場合や、市販薬で効果がない場合は、歯科医師に相談して適切な処方薬を使用しましょう。処方薬を使用する際は、医師の指示に従いましょう。

 

痛み止めの飲みすぎによる影響

痛みがあるからといって、痛み止めを頻繁に飲みすぎるのは避けましょう
過剰に服用すると、身体に負担をかける可能性があります。

★飲みすぎによるリスク

  • 胃の粘膜を刺激し、胃痛や胃もたれ、胃潰瘍を引き起こすことがある
  • 頭痛やめまい、眠気といった副作用が出る可能性がある
  • 長期間の服用は肝臓や腎臓に負担をかけることがある

     

特に、ロキソニンやボルタレンなどの強めの鎮痛薬は、空腹時に飲むと胃に負担がかかりやすいため、食後に服用するのが望ましいです。
また、「痛みがなくても予防のために飲む」のはおすすめできません。
痛みがあるときにのみ、適切な量を服用するようにしましょう。

 

矯正治療の痛みは一時的なものですが、痛みが強いときは適切なタイミングで痛み止めを活用することも大切です。
市販薬と処方薬の違いを理解し、必要に応じて正しく服用することで、快適に治療を進めることができます。
ただし、痛み止めに頼りすぎるのではなく、冷やす・食事に気をつける・矯正用ワックスを使うといった工夫も取り入れながら、上手に痛みをコントロールしていきましょう。

 

5.痛み止めの選び方と注意点

矯正治療中の痛みは個人差がありますが、一時的なものがほとんどです。
しかし、痛みが強くて食事や日常生活に支障をきたす場合、痛み止めを適切に使用することで快適に過ごせます。
ここでは、矯正治療に適した痛み止めの種類、服用時の注意点、痛み止め以外の対処法との併用について解説します。

 

矯正治療に適した痛み止めの種類

市販薬、処方薬のどちらを選ぶべきか迷うこともあるかと思いますが、痛みの程度に応じて適切なものを選ぶことが大切です。

 

代表的な市販薬とその特徴

痛み止めの種類

主成分

特徴

ロキソニンS

ロキソプロフェン

速効性があり、歯の痛みにも効果的

イブA

イブプロフェン

鎮痛・抗炎症作用があり、痛みを抑える

バファリンA

アスピリン

胃への負担が少なく、優しい効果

カロナール

アセトアミノフェン

妊婦や子供でも使えるが、効果は穏やか

市販薬の選び方

  • 痛みが強い場合 → ロキソニンSやイブA錠が効果的
  • 胃に優しい薬がよい場合 → バファリンAやカロナールが適している
  • 妊婦や子供向け → カロナールが安全

 

代表的な処方薬とその特徴

痛み止めの種類

主成分

特徴

ロキソニン(処方版)

ロキソプロフェン

市販のロキソニンSよりも強力な効果

ボルタレン

ジクロフェナクナトリウム

強力な鎮痛・抗炎症作用があるが、胃に負担がかかる

カロナール

アセトアミノフェン

副作用が少なく、妊婦や子供にも使用可能

処方薬を使うべきタイミング

  • 市販薬で効果が感じられない場合
  • 痛みが長引いて日常生活に支障が出る場合
  • 医師の判断で処方が必要なとき

 

痛み止めを飲む際の注意点

痛み止めは適切に使用すれば矯正治療中の痛みを和らげてくれますが、間違った使い方をすると副作用のリスクがあります。
以下のポイントに注意して、安全に服用しましょう。

  1. 空腹時の服用は避ける

痛み止めの多くは胃に負担をかけるため、必ず食後に服用しましょう。
特にロキソニンやボルタレンは胃を荒らしやすいため、空腹時に飲むと胃痛や吐き気を引き起こすことがあります。

 

  1. 用量・用法を守る

痛みが強いからといって、規定量以上に飲む」のは絶対に避けましょう。

  • 1回に服用できる量を守る(例:ロキソニンは11錠)
  • 服用間隔を守る(例:ロキソニンは46時間空ける)
  • 1日に飲める回数を超えない(例:ロキソニンは123回まで)

過剰摂取すると、肝臓や腎臓に負担がかかることがあります。

 

  1. ほかの薬との併用に注意
  • 他の鎮痛剤と一緒に飲まない(同じ成分が重なると副作用のリスクが高まる)
  • 血液をサラサラにする薬を服用中の方は、歯科医師に相談(アスピリンなどの成分が影響する場合がある)

 

痛み止め以外の対処法との併用

痛み止めだけに頼らず、他の方法と組み合わせることで、より効果的に痛みを軽減できます。

  1. 口の中を冷やす
  • 冷たい水で口をゆすぐ
  • 氷をガーゼに包んで頬の外側から冷やす
  • 冷やすことで炎症を抑え、痛みを和らげる

     

  1. 柔らかい食べ物を選ぶ
  • 硬いものや弾力のある食べ物は避ける
  • スープ、おかゆ、ヨーグルト、プリンなど歯に負担がかからない食事を選ぶ

     

  1. 矯正用ワックスを活用
  • ワイヤーやブラケットが口の中に当たって痛いときは、矯正用ワックスを装置に貼ることで痛みを軽減できる

     

  1. リラックスする
  • ストレスや緊張は痛みを感じやすくするため、ゆっくり深呼吸をしてリラックスするのも効果的

 

矯正治療中の痛みは一時的なものですが、痛み止めを適切に使用することで快適に過ごすことができます。
市販薬と処方薬の違いを理解し、適切なタイミング・用量で服用することが大切です。
また、痛み止め以外の方法(冷やす・食事に気をつける・矯正用ワックスを使う)と併用することで、痛みをより効果的にコントロールできます。

痛みが長引く場合や、痛み止めを飲んでも改善しない場合は、歯科医院に相談しましょう。

 

6.痛み止めを使いすぎるとどうなる?

矯正治療中の痛みがつらいと、つい痛み止めに頼りがちになりますが、痛み止めの過剰使用にはリスクがあります。適切な使い方を知り、痛みと上手に向き合いながら矯正治療を進めていきましょう。

 

痛み止めが歯の動きに与える影響

矯正治療では、歯を少しずつ動かして正しい位置に導きます。
その際に起こる軽い炎症反応が、歯がスムーズに移動するための重要なプロセスになります。

しかし、痛み止めを頻繁に服用すると、この炎症を抑えすぎてしまい、歯の移動が遅くなる可能性があります。
特に、ロキソニン(ロキソプロフェン)やボルタレン(ジクロフェナク)などの強い抗炎症作用を持つ薬は、過度に使用すると矯正期間が長引くリスクがあるため、服用の頻度には注意が必要です。

★こんな場合は要注意

  • 痛みがなくても予防的に痛み止めを飲んでいる
  • 痛みが出るたびにすぐ薬を飲んでしまう
  • 数日間、毎日痛み止めを服用している

できるだけ痛みが強い時だけに使用し、適度に間隔を空けることが大切です。

 

胃や腎臓への負担

痛み止めは、長期間にわたって服用すると、胃や腎臓に負担をかけることがあります。
特に、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と呼ばれるタイプの痛み止めは、胃の粘膜を刺激し、胃炎や胃潰瘍の原因になることがあります。

★胃や腎臓への影響を抑えるポイント

・空腹時の服用は避ける(食後30分以内に服用する)
1日の推奨摂取量を守る(服用間隔を適切に保つ)
・胃に優しい痛み止めを選ぶ(アセトアミノフェン系のカロナールなど)

また、腎臓に持病がある方は、痛み止めの使用に特に注意が必要です。
服用の際は、歯科医師や薬剤師に相談しましょう。

 

痛み止めは、矯正治療中の痛みを軽減するために役立ちますが、使いすぎると歯の動きを遅らせたり、胃や腎臓に負担をかけるリスクがあります。

「痛みが出たらすぐ薬に頼る」よりも、「痛みと上手に付き合う」意識を持つことが大切です。

 

7.痛み止め以外でできる痛み対策

矯正治療中の痛みは、多くの患者様が気にされるポイントの一つです。
痛み止めを服用するのも一つの方法ですが、できるだけ薬に頼らず、自然に痛みを和らげる方法も試してみましょう。

 

矯正用ワックスの活用

矯正装置が口の中に当たって痛みを感じる場合、矯正用ワックスを使うことで、装置と粘膜の摩擦を軽減できます。
矯正用ワックスとは、装置の金属部分やワイヤーが頬や唇に擦れるのを防ぐための柔らかい保護材です。

★ワックスの使い方

  1. 手を清潔に洗う
  2. 米粒大のワックスをちぎる
  3. 装置の当たる部分にワックスを押しつける
  4. ワックスがずれたら付け直す(食事や歯磨きの後は交換)

 

矯正治療が進み、装置に慣れてくると粘膜が強くなり、ワックスなしでも痛みを感じにくくなります。
ただし、ワックスを使っても痛みが続く場合は、装置の調整が必要なこともあるため、歯科医師に相談しましょう。

 

食事や冷却による緩和方法

矯正治療中は、食事の内容や温度にも気を配ることで、痛みを和らげることができます。

★食事で痛みを軽減するコツ

  • 柔らかいものを食べる(おかゆ、ヨーグルト、スープ、バナナなど)
  • 噛む回数を減らすため、小さめにカットする
  • 刺激の少ない食材を選ぶ(酸味や辛みの強いものは避ける)
  •  

冷たい食べ物や飲み物は、一時的に痛みを抑える効果があります。

  • アイスや冷たいゼリーを食べる
  • 冷たい水や氷を口に含む(ただし、歯がしみる場合は注意)

また、痛みが強い時は、頬の外側から冷却するのも効果的です。
氷をタオルに包み、頬に当てて冷やすことで、炎症を抑え痛みを軽減できます。

 

リラックスするための工夫(ストレス管理など)

ストレスを感じると、無意識に歯を食いしばってしまい、矯正中の痛みが悪化することがあります。
痛みを和らげるためには、できるだけリラックスした状態を保つことも重要です。

★リラックスするための方法

  • 深呼吸をする(ゆっくり息を吸い、ゆっくり吐く)
  • 寝る前にストレッチをする(首や肩の緊張をほぐす)
  • ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる(血行がよくなり、痛みが和らぐ)
  • 好きな音楽を聴いたり、軽い運動をする(リフレッシュすることで、痛みを忘れやすくなる)

 

また、寝ている間に無意識に歯を食いしばるのを防ぐために、夜用のマウスピースを使うのも効果的です。
歯ぎしりや食いしばりがある方は、歯科医師に相談してみましょう。

 

矯正治療の痛みは、時間とともに落ち着くことがほとんどですが、痛み止めに頼るだけでなく、ワックスや食事の工夫、冷却、リラックス法を取り入れることで、より快適に治療を進めることができます。

 

8.痛みが強すぎる場合はどうすればいい?

矯正治療による痛みは、通常数日から1週間ほどで和らぎますが、 痛みが強すぎる場合や長引く場合 は、早めに対処することが大切です。

 

痛みが長引く場合の対処法

矯正治療による痛みは、通常 ワイヤーの調整後13日がピーク となり、その後徐々に和らぎます。
しかし、1週間以上痛みが続く場合や、痛みがどんどん強くなる場合は、何らかの原因がある可能性 があります。

痛みが改善しない場合は、矯正装置の調整が必要な可能性があるため、次のポイントを確認しましょう。

 

矯正装置の調整が必要な場合のサイン

痛みが強く、以下のような 異常な症状 が見られる場合は、装置の調整が必要かもしれません。

装置の不具合による痛みのサイン

  • ワイヤーやブラケットが頬や舌に強く当たっている(口内炎ができる、傷ができる)
  • ワイヤーが外れたり、飛び出して刺さっている(口の中を傷つけてしまう)
  • 装置が緩んで歯が痛む(装置のズレで不快感がある)
  • 矯正力が強すぎる(通常よりも強い痛みが続く場合)

     

これらの症状がある場合は、無理に我慢せずに歯科医院へ相談することが大切 です。
装置の位置を微調整したり、飛び出たワイヤーをカットすることで、痛みが軽減することがあります。

 

早めに歯科医に相談する重要性

矯正治療では、 痛みが一定期間続くことは正常な反応 ですが、 異常な痛み を放置すると、思わぬトラブルにつながる可能性があります。

すぐに歯科医に相談すべき症状

  • 痛みが1週間以上続く(通常の矯正痛よりも長引く)
  • 装置がズレたり、外れたりしている(ワイヤーが飛び出しているなど)
  • 食事が取れないほどの強い痛みがある
  • 歯ぐきが腫れている、出血が止まらない
  • 頭痛や顎の違和感が強くなる

     

特に、装置のズレや異常な痛みを放置すると、歯の動きが予定通り進まず、治療期間が長引いてしまうこともあります。

矯正治療の痛みは 通常は一時的なものですが、異常な痛みが長引いたり、強すぎる場合は、早めに歯科医院でチェックを受けることが重要 です。

 

9.痛みが少ない矯正方法はあるの?

「矯正治療は痛みがあるから不安」と感じる方も多いのではないでしょうか?
確かに、歯を動かす治療である以上、ある程度の痛み は避けられませんが、最近では 痛みを軽減できる矯正方法 も増えています。

 

ワイヤー矯正とマウスピース矯正の違い

矯正治療にはいくつかの種類があり、選ぶ方法によって 痛みの感じ方 が異なります。
特に「ワイヤー矯正」と「マウスピース矯正」では、痛みの出方に違いがあります。

★ワイヤー矯正の特徴

  • 装置を歯に固定し、ワイヤーで歯を動かす方法
  • 痛みのピーク は「調整後の数日間」
  • 装置が口内に当たる違和感 も感じやすい
  • 細かい歯の動きをコントロールしやすい

 

★マウスピース矯正の特徴

  • 取り外し可能で、透明なマウスピースを使用する方法
  • 痛みのピーク は「新しいマウスピースに交換した直後」
  • 装置による口内炎のリスクが低い
  • 徐々に力をかけるため、痛みが比較的少ない

「できるだけ痛みを抑えたい」という方は、 マウスピース矯正が適している場合も あります。
ただし、治療の適応は歯並びの状態によるため、 歯科医と相談しながら選ぶことが大切 です。

 

痛みを軽減しやすい矯正装置の紹介

最近では、 できるだけ痛みを抑えながら歯を動かせる矯正装置も登場しています。

★セルフライゲーションブラケット

  • 従来のワイヤー矯正よりも、摩擦が少なく痛みを軽減
  • 歯の移動がスムーズになり、治療期間の短縮にもつながる
  • 「デイモンシステム」などのブランドが有名

 

★熱可塑性ワイヤー

  • 体温で柔らかくなり、痛みが出にくいワイヤー
  • 歯にかかる負担を抑えつつ、効率的に動かせる
  • 痛みを感じやすい方におすすめ

 

★インビザライン(マウスピース矯正)

  • 段階的に歯を動かすため、痛みが出にくい
  • 取り外しができるため、口内の負担が少ない
  • 透明で目立たず、違和感が少ないのもメリット

 

最新技術による痛みを抑えた治療法

矯正治療の技術は進化しており、 痛みをできるだけ抑える方法 も増えています。

★低刺激な力で歯を動かす技術

  • マウスピース矯正は弱い力でじわじわ動かすため、痛みが少ない
  • ワイヤー矯正も、摩擦を減らす装置を使うことで負担を軽減

     

★痛みをコントロールするレーザー治療

  • 矯正後の痛みを軽減するために、レーザーを照射する治療法もある
  • 血流を促進し、炎症を抑えることで痛みを緩和

     

★AIシミュレーションによる精密な治療計画

  • 最新の矯正では、AIを活用して最適な治療計画を立てる
  • 無理のない力で歯を動かすことで、痛みを抑えやすくなる

 

「矯正=痛い」というイメージを持たれがちですが、矯正方法の選び方や装置の種類によっては、痛みを大幅に抑えることも可能です。

矯正治療は 痛みをゼロにすることは難しい ですが、 できるだけ負担を少なくしながら進めることは可能です。
歯科医と相談しながら、ご自身に合った矯正方法を見つけていきましょう!

 

10.よくある質問

矯正治療を始めると、多くの患者様が「痛みがどのくらい続くのか?」「痛み止めはいつ飲めばいいのか?」といった疑問を持たれます。

 

痛み止めを飲み続けると矯正が遅れる?

痛み止めを服用すると、歯の動きに影響を与えるのではないかと心配される方もいらっしゃいます。実際、 一部の痛み止め(NSAIDs:非ステロイド性抗炎症薬)は、歯が動くために必要な炎症反応を抑えてしまう可能性がある と言われています。

★影響を受ける可能性のある薬

  • ロキソプロフェン(ロキソニン)イブプロフェン(バファリン・イブ) は、長期間服用すると歯の動きが遅くなる可能性がある
  • 一時的な服用であれば問題なし

     

★服用時のポイント

  • 痛みが強いときに短期間使用するのはOK
  • 毎日飲み続けるのは避けたほうがよい
  • 痛みが長引く場合は歯科医に相談

     

「できるだけ痛み止めに頼りたくない という方は、冷却や食事の工夫など、他の方法も取り入れてみましょう。

 

矯正治療の痛みはいつまで続く?

矯正の痛みは ずっと続くわけではなく、一定期間で落ち着くものです。

★痛みが出やすいタイミング

  • 装置をつけた直後(13日目) → 痛みが最も強くなる時期
  • ワイヤー調整後(12日目) → 徐々に落ち着いていく
  • マウスピース交換後(1日目) → 数時間~1日程度違和感が出る

     

★痛みのピークと軽減の目安

  • ワイヤー矯正の場合35日で痛みが和らぐ
  • マウスピース矯正の場合12日で違和感が消える

     

歯が動く際の圧力による痛みは 時間とともに軽減 するので、「この痛みはずっと続くのでは?」と不安にならずに 少しずつ慣れていくことが大切 です。

 

どのタイミングで痛み止めを飲むのがベスト?

痛み止めを飲むタイミングによって、 痛みを最小限に抑えることが可能 です。

★おすすめの服用タイミング

装置をつける前後 → 痛みが出る前に服用すると、ピークを抑えやすい
就寝前 → 寝ている間の痛みを軽減し、眠りの質を保つ
食事の30分前 → 食事中の噛む痛みを防ぐ

「痛みがひどくなってから飲む」のではなく、痛みが強くなる前に対策をするのがポイント です。

 

歯列矯正の痛みは、多くの患者様が気にされるポイントの一つですが、 適切な対処法を知ることで、無理なく治療を進めることができます。 矯正装置による痛みは 一時的なものであり、時間とともに和らぐ ため、過度に心配する必要はありません。

また、痛み止めの適切な使用によって、 矯正治療のストレスを最小限に抑えることが可能です。ただし、 痛み止めを長期間服用し続けると歯の動きに影響を与える可能性があるため、必要な時にだけ服用することが大切 です。

矯正中の痛みを和らげるためには、 冷やす、食事を工夫する、矯正用ワックスを活用する などの方法もあります。痛みが強すぎたり、長引いたりする場合は 無理をせずに歯科医に相談 しましょう。

矯正治療は、健康な噛み合わせと美しい歯並びを手に入れるための大切なステップです。 多少の痛みを乗り越えた先には、 自然な笑顔や快適な噛み心地 が待っています。焦らず、自分に合った痛み対策を取り入れながら、理想の歯並びを目指していきましょう。

 

 

 

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東京都銀座駅の矯正歯科
銀座矯正歯科
〒104-0061
東京都中央区銀座3-3-14
銀座グランディアビルⅡ 6F
☎︎03-3567-5454
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*監修者

医療法人社団 真美会 銀座矯正歯科

院長 中嶋 亮

*経歴

1998年 富山県立富山中部高等学校卒業。1998~2004年 日本大学松戸歯学部

2004~2008年 日本大学大学院(歯科矯正学専攻)。

2008~2012年 日本大学松戸歯学部 歯科矯正学講座 助手(専任扱)。

2012~2020年 医療社団法人真美会 銀座矯正歯科 アシスタントドクター。

2013~2014年 ニューヨーク大学CDEP 矯正学修了。

2014~2018年 日本大学松戸歯学部 顎顔面外科学講座 兼任講師。

2014~2015年 カリフォルニア州立大学LA校CDEP 矯正学修了。

2019~2023年 日本大学松戸歯学部 歯科矯正学講座 兼任講師。

2021年~ 医療社団法人真美会 銀座矯正歯科 院長。

2022年~ 一般社団法人日本デジタル矯正歯科学会 理事・学術担当。

2023年~ 日本大学松戸歯学部 歯科矯正学講座 クリニカルアドバイザー。

2023年~ Digital Dentistry Society Ambassador (Japan)。

2023年~ 日本大学松戸歯学部 歯科矯正学講座 同門会副会長。

2023年~ Ray Face  (Ray Dent, Korea) Key Opinion Leader。

*主な所属学会

日本矯正歯科学会(認定医)

International Congress of Oral Implantologists (ICOI) インプラント矯正認定医

Digital Dentistry Society 日本アンバサダー

先進歯科画像研究会(ADI)歯科用CT認定医

・厚生労働省認定 歯科臨床研修指導医

日本美容外科学会(JSAPS)関連会員

・Orthopaedia and Solutions マネージャー

BIODENT 寿谷法コルチコトミーベーシックコース インストラクター

BIODENT モディファイドコルチコトミーコース インストラクター

・(株)YDM 矯正器材アドバイザー

・ABO Journal Club 主宰

・Cutting Edge of Digital Orthodontics 主宰

*論文・学会発表

  • ・加速矯正とアライナー治療による治療期間のコントロール ザ・クインテッセンス2022年11月号
  • ・進化するデジタル歯科技術Extra モディファイドコルチコトミー法とSureSmileによる矯正治療 日本歯科評論 81(8)=946:2021.8
  • ・進化するデジタル歯科技術 : 3Dプリンターは臨床をどう変革するか(4)矯正治療における3Dプリンターの臨床応用 日本歯科評論 81(4)=942:2021.4
  • ・矯正用光重合型レジン系接着システムの接着性能 接着歯学2013年31巻4号P159-166
  • ・歯科矯正学における3D診断および治療計画(翻訳)クインテッセンス出版
  • ・基礎から学ぶデジタル時代の矯正入門(翻訳統括)クインテッセンス出版
  • ・矯正歯科治療のためのコルチコトミー(翻訳)
  • ・Effects of compression force on fibroblast growth factor-2 and receptor activator of nuclear factor kappa B ligand production by periodontal ligament cells in vitro. J Periodontal Res. 2008 Apr;43(2):168-73.
  • ・Evaluation of the success rate of single- and dual-thread orthodontic miniscrews inserted in the palatal side of the maxillary tuberosity. J World Fed Orthod. 2022 Jun;11(3):69-74.
  • ・T-helper 17 cells mediate the osteo/odontoclastogenesis induced by excessive orthodontic forces. Oral Dis. 2012 May;18(4):375-88.
  • IL-8 and MCP-1 induced by excessive orthodontic force mediates odontoclastogenesis in periodontal tissues. Oral Dis. 2011 Jul;17(5):489-98.
  • ・Effects of HSP70 on the compression force-induced TNF-α and RANKL expression in human periodontal ligament cells. Inflamm Res. 2011 Feb;60(2):187-94.
  • ・Effects of relaxin on collagen type I released by stretched human periodontal ligament cells. Orthod Craniofac Res. 2009 Nov;12(4):282-8.
  • ・Levels of RANKL and OPG in gingival crevicular fluid during orthodontic tooth movement and effect of compression force on releases from periodontal ligament cells in vitro. Orthod Craniofac Res. 2006 May;9(2):63-70.

 

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